将棋の序盤では、いきなり攻めの手ばかりを指す戦法はほぼありません。 必ず守りの手をいくつか指しておくのが普通です。
序盤は守りの手を指し、囲いを作っておく、ということになんとなくなっていますが、いきなり攻めに全振りしていってはいけないのでしょうか?
あまり、この背景にある理由が語られていることは少ないかと思います。 実は、これにはちゃんとした理由があります!
将棋の序盤では「陣形作り」が最優先
序盤でやっておきたいことのメインは、金・銀を使って囲いを作り、突破されにくい陣地と玉の守りをしっかり作ること、そして攻撃態勢を整えることです。いきなり本格的に攻めようとしても得をしません。序盤の攻めは構造的に失敗しやすいのです。
なぜ序盤の攻めは失敗しやすいのか?
将棋の最初の配置は、すべての駒が自分の陣地の奥にいて、持ち駒がありません。この状態では、本格的に攻めようとしても、攻める側には次のような問題があります。
- 攻めが遅すぎる:前線まで駒を運ぶのに何手もかかり、その間に相手に準備される
- 攻め駒が少ない:使える攻め駒が限られていてパワー不足
一方で守る側は、たくさんの駒が自陣にいて「全員で守る」状態ですから、相手の攻めを簡単に跳ね返せてしまいます。
序盤では、本気で攻めることはできず、相手の陣形作りをちょっと邪魔しに行く、くらいのことしかできないのです。
序盤は「将来への投資」の時間
このような事情から、「急がば回れ」で、後々に守りの心配をしなくていいように、序盤は守りをしっかり作ってから中盤以降に本格的に攻めに行くというのがセオリーになっています。
序盤は、お互いに陣形の整備をすることで「将来のための投資」をしている感じになります。一手一手で少しずつ有利を積み重ねていく時期で、「この駒組みをしておけば、後で攻めやすくなるな」「玉の耐久力が高まったな」という感覚で指します。
序盤で狙うべきチャンス
とはいえ、序盤でも積極的に狙いたいチャンスが来ることもあります。
- ミスに付け込み利益を得る:序盤でも相手にミスが出れば、駒得をしたり駒を成ることに成功することもあります。先が長い序盤での確実な利益は非常に大きいです
- 相手の準備を妨害する:相手の陣形作りが中途半端なタイミングで戦いを仕掛けるのが効果的です。中途半端な陣形のまま戦いが始まった相手は、中盤以降に苦労することになるでしょう
まとめ
序盤では将来のために、**「中盤以降に強く戦うための陣形を作ること」**がメインになります。攻めを焦らず、万全の準備を整えてから戦いを仕掛けることが基本です。
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