盤の色:
穴熊
設計思想:玉を盤の隅に置き、金銀で完全封印する
穴熊は他の囲いとは一線を画す極端な設計思想を持ちます。「玉を堅く守る」という発想を突き詰め、玉を盤の隅(端の最奥)に追いやり、その周囲を金銀で完全に包む形です。なぜ隅が強いのか——盤の隅に玉を置くと、相手は限られた方向からしか迫れません。外側の強固に連結した金銀を外さない限り詰ましに来られず、完成すれば王手すらかからない状態になります。完成後は外側に駒を足すだけでさらに堅くできる拡張性も魅力です。
ただし大きなトレードオフを伴います。玉を隅まで移動させるのに非常に手数がかかり、組んでいる間に攻め込まれやすいのです。主導権を取られると厳しい戦いになりがちで、相居飛車ではこのリスクから採用が少なく、対抗形(居飛車vs振り飛車)での採用が中心です。また金銀が玉のいる側に偏るため、反対側からの飛角の侵入を許しやすい点にも注意。指しこなすにはコツが要りますが、最終盤での強さはピカイチです。振り飛車側でも、右に左右反転した形で組めます。
囲いの選び方
12の囲いを見てきましたが、「どれを選べばいいか」と迷うのは自然なことです。選び方のシンプルな指針を紹介します。
まず自分の戦法を決める
囲いは戦法とセットです。居飛車を指すか振り飛車を指すかで、候補になる囲いがほぼ決まります。どちらか一方をメインに決め、そこに合う囲いを選びましょう。
居飛車を指すなら
- 対振り飛車:舟囲い・エルモ囲いが手軽でおすすめ
- 相居飛車:カニ囲い・中住まい・雁木囲いが定番
- 角換わりを指すなら:現代角換わりの陣形を覚える
- じっくり指したい:矢倉囲いも選択肢に
振り飛車を指すなら
- まずはこれ:美濃囲い一択といえるほどの定番
- もっと堅くしたい:高美濃囲い→銀冠と発展させる
- 相振り飛車:金無双も視野に
完璧な形にこだわらない
実戦では、狙いや展開によって玉・金・銀の最終的な位置が変わることも多くあります。「必ずこの形に完成させなければ」と思いすぎず、状況に応じて柔軟に指すことを意識してください。相手の動きに対応しながら、バランスよく囲いと攻めを進めることが上達への道です。